オーディオ                 


■ 
音に関する基礎知識                                                              
  (1) 全般
     音は空気の粗密振動波(縦波)です。したがってその物理量は圧力(音圧)に関する下記の項目となります。
      @ 圧力の周波数  …… 高い音、低い音
      A 圧力の振幅    …… 大きい音(強い音)、小さい音(弱い音)
      B 圧力の波形波形 …… 音質、音色

  (2) 音の速度
    ・ 空気中に於ける音の伝播速度は 概略 340 [m/sec] (at 15 ℃)です。
     温度が高いと伝播速度は速くなり 空気の温度をt[℃]とすると、音速V[m/sec]は概略下記の式で表せます。
        音速 V [m/sec] =  331 +  0.61 ×  t     
    ・ 音の伝播速度Vは媒質の体積弾性率Kと密度ρによりきまります。
         V ∝ √(K/ρ)
    ・ 媒質の密度が高いと速く、水中で約 1500m/sec、鉄で5290m/sec となります。

  (3) 周波数
    ・ 周波数範囲: 人間が感じることができる音の周波数範囲は個人差はあるが概略 20 〜20 K [H]です。
    ・ 周波数の値が大きいを”高い音”、周波数の値が小さい音を”低い音”と云います。

  (4) 音圧
    ・ 音圧の単位
       @  Pa(パスカル)  …… 国際単位SIThe International System of Units)としはパスカル[Pa]です。
                        1[Pa]は、1[m2]の面積あたり、1[N]の力が作用する圧力です。
       A dB SPL      …… オーディオの世界ではdB SPL(Sound Pressure Lebel)も使われる。SPLとは、人間が感ずることが
                        できる 最小の音圧20μ[Pa]を基準(0dB)として表した音圧の単位です。
       B ホン phon    …… ホン (phon) は、音の聴覚的な強さのレベルの単位でdB SPL値を周波数ごとに人間の聴覚レベルで
                        補正したものです。個人差がないと仮定すれば 同一ホンの音は周波数によらず同じ大きさに聞こえます。
                        1KHzの純音のdB SPL値とホン値は等しくなっています。
    ・ 音圧○○dB と云った場合特にことわりがない場合は実効値です。特に瞬時値、ピーク値を表したい場合は明記するのが一般的です。
    ・ 音圧範囲: 人間が感ずることができる最小音圧 …… 概略 20μ[Pa]
              人間が耐えうることができる最大音圧…… 概略  20 [Pa]


音圧
  [Pa]  
音圧
[ dB SPL ]
備考
      <音圧の目安>

    0dB: 人間が感じる最小音圧、[SPL/Pa]の基準音圧

   20dB: 人のささやき声

   60dB: 会話

   70dB: 電話のベル

   80dB: セミの声

  110dB: 自動車の警笛

  120dB: 航空機のエンジン音

  130dB: 耳が痛くなる
10μ   
20μ 0
100μ    
200μ 20
1m    
2m 40
10m    
20m 60
100m    
200m 80
1 94
2 100
10    
20 120
100    

    ・ 音圧は音源から離れるほど小さくなる。反射がない空間では距離の二乗に反比例で音圧は小さくなります
 

   

■ マイクロフォン
  (1) 音(空気の粗密振動波)を電気信号に変換する変換装置です。
  (2) オーディオの世界よくつかわれるマイクは下記3種類です。その他としては、カーボン型、圧電型などのマイクがあります。 

種類 ダイナミックマイク バイアス型コンデンサマイク エレクトレット型コンデンサマイク
(通称:ECM)
原理 永久磁石による磁界中をムービングコイルの振動することにより、ファラデーの法則による誘起電圧を検出する コンデンサの対極板間の距離変化による静電容量の変化を、高抵抗と直流バイアスにより電圧変化に変換する 原理としてはコンデンサ型と同じであるが固定電極に半永久的に誘電分極した帯電素子(エレクトレット)を用いる。
内部回路

(例)


(注)上記回路のFETの代わりに専用ICが使われていることも多々あるようです。マニア向けに真空管が使われている場合もあります。





(注)上記回路のFET(→例)の代わりに専用IC(→例)が使われていることのも多々あるようです。。
特徴 <長所>
・大音圧に強い
・電源供給不要
・比較的安価
・衝撃、水分に強い
<短所>
・高音の再現性に劣る
・中低音が強調される
<長所>
・応答が非常に速くクリアな音質が得られる
・周波数特性がフラット
<短所>
・コンデンサへDC48Vのバイアス電圧(ファンタム電源)供給が必要
・湿度に弱い
・高価
<長所>
・周波数特性がフラット
・小型・軽量
・バイアス型に比べて低圧(2V〜5V程度)小容量DC電圧でよい
・安価
<短所>
・低圧・小容量ではあるがインピーダンス変換回路へのDC電源が必要
・湿度に弱い
備考 ・ライブハウス、野外ステージ、カラオケ等過酷な環境で使用されることが多い
・出力電圧はバイアスコンデンサ型コンデンサマイクに比べ約1/10である。
・出力インピーダンスは通常600Ωである
・代表的な製品: シュアーSM58
・レコーディングスタジオやコンサートホール、劇場など管理された環境で高音質が求められる場合に使用される。
・出力インピーダンスが高いので初段は真空管やFETで増幅する。
・ダイナミック型にくらべ出力電圧が約10倍大きい。
・ファンタム電源とよばれるDC48Vの電源が必要となる
・コンパクト、低電圧小電源、廉価等から携帯機器、マイク付きヘッドホン等などで使われる。
・ECM(Electlet Condensor Microphone)と呼ばれることがある
・電源供給回路は”プラグインパワー回路”と呼ばれている。
・2端子型と3端子型がある



  (3) 入力感度(マイクロフォン感度)「V/Pa]: 
      ・周波数1 KHz、音圧1Pa(パスカル)、 無負荷時の音圧に対する出力電圧と定義されています。
        但し、実際には 1[V/Pa]を基準電圧0dBとして  [dBV/Pa] がよく使われます。市販マイクの商品表示には単に [dB]と記載されて
       いる場合も多いようです。
      ・ 実際の感度
        @ ダイナミックマイク : -60 〜 -50 [dBV/Pa]  (電圧換算: 1.0 〜 3.16 [mV/Pa])
        A バイアス型コンデンサマイク  : -40 〜 -30 [dBV/Pa]  (電圧換算: 10 〜 31.6 [mV/Pa] )
        B エレクトレット型コンデンサマイク: -50 〜 -30 [dBV/Pa]  (電圧換算: 3.16 〜 31.6 [mV/Pa] )

       <製品例>
           @ ダイナミックマイク  SHURE  48  (市販価格: 4,800円)
                  …… マイク感度: -52  [dBV/Pa](電圧換算: 2.5 [mV/Pa])   

           A  バイアス型コンデンサマイク   RODE  NT1-A (市販価格: 15,800円)
                 …… マイク感度: -31.9 [dBV/Pa](電圧換算: 2.54 [mV/Pa]) 

           B エレクトレット型コンデンサマイク  パナソニック WM-61A (市販価格: 100円)
                 ……  マイク感度: -35 [dBV/Pa](電圧換算: 17.8 [mV/Pa]) 

      ・バイアス型コンデンサマイクの出力はダイナミックマイクの約10倍です。


   (4) 出力インピーダンス
      ・規格ではないようであるが 600Ω(at 1KHz)が標準とされる。
     


   (5) バイアス
     コンデンサ型マイクでは直流バイアスが必要となります。
     ★ ファンタム(Phantom:幽霊)電源
        バイアス型コンデンサマイクの場合高い直流電圧を供給する必要があります。マイクプリアンプ側から供給する直流電源のことを
       ファンタム電源と呼び、下図のように供給され、通常はDC 48vです。下記説明図ではマイク内蔵アンプ回路はDC48VのFETのゼロ
       バイアス増幅回路で書いてありますが、 マニアックな世界であることから現在でも真空管増幅回路のバイアス型コンデンサマイクが
       市販されています。、当然ながら特殊な電圧のファンタム電源が採用されています。(→真空管式バイアス型コンデンサマイク
       バイアス型コンデンサマイクにはDC24vのファンタム電源電圧のものもあり、使用・接続に際しては高価なマイクを破壊しないように
       十分な配慮が必要となります。
        ファンタム電源と云う呼び名は平衡回路のHOT、COLD信号線に見えない幽霊のようにひそむ電源であることに由来すると
       云われています。尚、トランス平衡回路の場合トランスに直流が流れることから磁気飽和により歪が懸念されますが、HOT側CLOD側
       は等インピーダンス・差動に巻かれ直流磁束を打ち消すように設計されていますので磁気飽和の心配は不要です。

   ★ プラグインパワー
    ・ プラグインパワー方式とはマイクアンプ側からエレクトレット型コンデンサマイクの電源を供給する回路方式のことを云います。回路構成は
     下記のようになっています。 特に規格はないようで DC 2v〜5vが、1kΩ〜10KΩのバイアス抵抗を介してHOTのラインに重畳されてマイク
     側に供給されているようです。
      パソコンのマイク音声入力はエレクトレット型コンデンサマイクを想定してつくられており、このプラグインパワーが標準で内蔵されて
     います。 私のPCで実測したところ2.6V(無負荷時)、 1.4V(10KΩ負荷時)でした。 計算すると8.57KΩのバイアス抵抗が接続されている
     ことになります。 また、手持ちの潟Iーディオテクニカ のマイクプリアンプ AT-MA2 のプラグインパワーの出力を実測したところ 2.7v
     (無負荷時)、 2.1V(10KΩ負荷時)でした。計算すると2.86KΩのバイアス抵抗が接続されていることになります。  


     
    ・ マイクプリアンプは通常 ダイナミックマイク用とエレクトレットコンデンサマイク用とが兼用になっているのでプラグインパワースイッチが
     ついており、ダイナミックマイクで使用する場合はスイッチをOFFにして使うようになっています。下図のように不平衡型ダイナミックマイクに
     プラグインパワーの電源を印加すると プラグインパワー電源からの直流電流が流れ音圧検出コイルやトランスの特性が劣化したり
     予期せぬトラブル発生となる可能性があるので注意が必要です。 ただ実際に、ダイナミックマイク  SHURE  48に 3.3V 2KΩの
     プラグインパワー回路で直流電流を流した状態で録音してみましたが、私の耳のレベルでは音圧検出コイルの
偏磁による影響は
     感じるレベルではありませんでした。
      ファンタム電源の場合も同様です。しかし、ファンタム電源の場合はDC48Vなのでより危険です。各マイクのホーンプラグは
     メカニカルインタロックがないので恐ろしい限りです。

 




(6) コネクタのピンアサイン 及びインターフェース回路
  マイク出力は、コネクタ形状は同じでも出力インターフェースがことなるものがたくさんあります。出力インターフェースがどれなのか表示や取説を
 よく読んで確認する必要があります。
  また、Φ6.3、Φ3.5、Φ2.5オーディオホーンプラグはスピーカへの出力用として最も多くつかわれておることからステレオプラグ、モノラルプラグとも
 呼ばれています。このコネクタはマイク出力を含めいろいろなところでつかわれているので「Φ6.3mm オーディオホーンプラグ」、「Φ3.5mm 
 オーディオホーンプラグ」、「Φ2.5mm オーディオホーンプラグ」あたりがコネクタの一般的呼び名としてはよいのではないかと思います。
  

★ コネクタ3極の場合




コネクタ
形状
キャノン XLR(オス) 3極 Φ6.3mm オーディオホーンプラグ 3極 Φ3.5mm オーディオホーンプラグ
3極 Φ2.5mm オーディオオーンプラグ
ダイナミック
マイク
バイアス型
コンデンサ
マイク
エレクトレット型
コンデンサ
マイク



  ★ コネクタ 2極の場合

プラグ
形状
Φ6.3mm  
2極 オーディオプラグ
Φ3.5 or Φ2.5mm
2極 オーディオプラグ
ダイナミック
マイク
エレクトレット型
コンデンサ
マイク


(7) パソコンサウンド回路のマイクインターフェース
 ・ パソコンのサウンド関係のインターフェースのハードは色と記号で識別されています。マイク入力はピンク色、ライン出力は黄緑色、ライン入力は
  青色となっています。






 ・ パソコンのサウンド回路のマイクインターフェースは 一般にステレオ エレクトレットコンデンサ型マイク用に2入力で設計されています。
  したがって 一般的な接続は モノラル型マイク 及びステレオ化型マイクのそれぞれの接続回路は下記となります。


 ・ パソコンでダイナミックマイクの音を録音する場合は下記のようにマイクプリアンプを介し、プラグインスイッチをOFFにしてゲイン(増幅度)を
  約20dB〜40dB(10〜100倍)とります。そのまま接続すると(5)のトラブルや、エレクトレットマイクにくらべダイナミックマイクは入力感度が
  小さいのでうまく録音できません。










■ マイクアンプ

 (1) 定義 及び要求増幅度
    オーディオのマイクアンプとは、マイクロフォンからの出力信号をラインレベルの信号レベルまで増幅するアンプのことである。
    

 (2)ラインレベル
    オーディオ機器の音声入力電圧レベルで0.775Vである。この0.775Vは 実効値である。最大振幅値は√2倍の 1.096V(=0.775×1.414)であり、
   ピーク・ピーク値Vp-pは2.19V(=1.096×2)である。 但し明確に規格とはなっていないはないようであるが、放送、PAPublic Address 音響拡声装置)、
   レコーディングの世界等では、この0.775Vが基準(0dB)となっているようである。オーディオの世界は関係する業界が多いことから 面倒な規格統一・設定を
   やるところがないデファクトスタンダードの世界のようである。
    ちなみに、0.775Vという大きさは、600Ωを負荷とした時に1mW(=1/1000W)の電力が得られる大きさのことをいう。600Ωを基準にした場合には、
  「0dBm」という風に末尾に「m」をつけて区別する。単に「4dB」というと「1.58倍」を意味するのだが、ミキサー出力の基準になっている「4dBm」となると「1.228V」を
  さすようになる。1Vを基準とした場合は「0dBV」と表記する。  
   



■ アンプ

   パワーオペ―アンプ LM675T (テキサスインスツルメント)は 本来はサーボアンプ、精密モーターコントロール、計測等のものですが、オーディオアンプにも 使えます。 内部
 構造はオーディオ用アンプとして販売されているLM1875(±25V、20W)と同じと云われています。 秋月電子で販売していることもあり マイコンと組み合わせた自作プレーヤー用によさそうです。

  
   回路例・試作品